男女共同参画の視点と大規模災害リハビリテーション

雨がやみませんね。
今回の豪雨水害被害、
まだまだ全容がつかめない状態。
思い出すのは熊本地震後からの数年間です。



そこで、今回は政策発表の内容ではなく、
平成29年11月に福岡女性フォーラムで私が発表した
「熊本震災における
ウィメンズヘルスケア分野の活動実態」
についての発表原稿や発表スライドから



男女共同参画の視点と
大規模災害リハビリテーションについての
一部を抜粋して書いてみます。


私の発表は様々な報告書の確認とともに
JRATで実際に指揮をとった
理学療法士の先生方に直接お話も聞きに行き
以下のように構成しました。


■男女共同参画の視点
■熊本県理学療法士協会の視点(JRAT)
■ウィメンズヘルスケア分野としての介入状況
■予防理学療法の視点
■今後の展望


*************

熊本地震は平成28年4月に
前震・本震ともに震度7。
その後、
1年間に震度1以上の余震を
4296回記録した災害でした。




まず男女共同参画の視点。
「男女共同参画の視点による
平成28年熊本地震対応状況調査報告書」の中で
私が印象に残ったものは、




◆災害は、
地震、津波、風水害などの自然現象(自然要因)と
それを
受け止める側の社会の在り方(社会要因)により
その被害の大きさが決まってくると考えられており
災害時には
平時における社会の課題が一層顕著になって現れる。
その際、性別、年齢や障害の有無等、
様々な社会的立場によって
災害から受ける影響は異なることから、
これらの視点を通して、
社会要因による災害時の困難を
最小限にする取り組みが重要となる。
・・・という報告。


また、
今後の復興上の課題としては
◆「平時以上に
仕事と育児等の両立が困難になる」(41%)
◆「生活再建支援に携わる関係者に

男女共同参画の視点を持っている者が少ない」(28%)
・・・という課題もあげられていました。




つぎに
大規模災害リハビリテーション対応マニュアルのなかには

この図のように
支援には災害フェーズが
あることが記されています。



私が関わらせてもらったは
復興への道として第2・3・4期です。



大規模災害時には特に
今の災害フェーズを把握し
長期的なかかわりが
必要であることがわかります。
(ただし1人で全てを
やり遂げる必要がある・・・ではありません)


また、活動スタッフの心得としても
①現地のスタッフも被災をされております.
また,
休みなく活動され疲労困憊されています.
ぜひ,配慮ある行動をお願いいたします.


②10団体から派遣されているスタッフには,
現地の様々な事情を踏まえた
コーディネートも期待されています.
多団体から来る多くのボランティアとも
調整・連携をお願いします.

③現地では,「正論,理想論」のみもち出す人,
対案のないままに苦情をいう人に
ホトホト嫌気がさしているとのことです.
ご注意ください.

④職種としての専門性の前に,
生活全体を支えることを通して,
派遣先施設のシステムづくりへの
協力をお願いされています.

⑤単発イベントではなく,
継続的支援を目指しています.
派遣職員は自立した,
後につながる行動をお願いいたします.


このような事が明記されていて、
私自身も発表準備の中で
知ったこともたくさんあり
色々な事を考えさせられました。



加えて今回はコロナ対策。
来週まで雨はやみそうにないですが、
被害がこれ以上拡大しないことを祈りながら
できる時にできる事をと、思っています。



(次は、政策発表の話に戻る予定です)